手作り廃油石鹸について
家庭から出る天ぷら油などの廃油を使って石鹸を作るというのが一時流行りましたね。
最近はその危険性やポリシーに間違いがあるということが認知されて、下火にはなってきているようですが、
ここで廃油石鹸の何が問題なのかを整理したいと思います。
- 危険性
- 石鹸を作る時に使用する水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は劇物です。万が一目に入ると失明の恐れもあります。
科学者・薬剤師などが取り扱うべきもので、さらに設備や環境が整っていない場所での使用は一層問題です。
- 鹸化率の問題
- 制作過程は一見簡単なようですが、混ぜながら反応を促進するために、過剰な水酸化ナトリウムを加えたりするので、未反応の水酸化ナトリウム残り、手が荒れます。完成した後で、pHのチェックなどは行わているのでしょうか?
- 環境にやさしい?
- 手作りであるがゆえに品質は当然ばらつきが生じます。
さらに天ぷらの廃油は、酸化したりして変性し、刺激性物質が生じるなど、品質が不安定。
まして、ミカンの皮やご飯を混ぜるなんて、有機物を環境に捨てて、汚しているのと同じです。
水質汚濁は市販石鹸と大差ないと行政の調査でも明らかです。
- 許可が必要?
- 化粧石鹸は薬事法の対象である化粧品に分類されます。
その製造と販売に当たっては、厚生労働大臣の許可が必要で、化粧石鹸の許可をとってないと、浴用にも、洗顔にも使用できません。
趣味の範囲ならまだしもですが、どうしてもたくさん作ってしまいますし、成果を触れ回りたくなるので人に配ったり、売ったりしてしまいたくなります。
トラブル発生の場合、だれが責任をとるのでしょうか?
- 根本の問題
- 手作りだから=いいもの、という思い込みの考えです。
顔を洗ったり、子供に使ったりはくれぐれもやめてください。