ギャップジャンクション解説と働き

ギャップジャンクションgap junction

交通性結合2つの細胞の細胞質を直接つなぐ

ギャップジャンクション

ギャップジャンクションは、上皮細胞の側壁部の細胞膜(図1・④)ならほとんどどこにでも存在し、哺乳類のすべての組織に見られます。
通常の透過型電子顕微鏡で観察すると、ギャップジャンクションの部位では隣り合った細胞膜が短い距離で接している(接触部位がある)ことがわかります。

ギャップジャンクション

初期の電子顕微鏡を使った解析では、特徴的な細胞間のギャップ、すなわち隙間を持つ細胞間の接触部位があることが明らかとなったので、初期の形態学者はギャップジャンクションと呼びました。(対してタイトジャンクションでは細胞膜の外葉が完全に融合しています)

しかしこの結合の重要な特徴は、隙間そのものではなく、隙間を横切って、隣接する細胞の細胞質をつなぐ孔を形成する円筒状の粒子の集まりであり、粒子が集まって小さな領域を作っていることが明らかになっています。(図2)

コネキシンとコネクソン

ギャップジャンクション

ギャップジャンクションを作るたんぱく質はコネキシン(connexins/膜たんぱく質/長さ約7.5nm細胞膜貫通)と呼ばれ、これが6分子集まってコネクソン(connexions)を作ります。(図3)

2つの細胞が接すると、隣り合う細胞膜のコネキシンは移動して細胞間にコネクソンという通路を作るように配列します。このコネクソンが斑点状に集合(数十から数百対)し、ギャップジャンクションが作られるわけです。

コネキシンは中央に直径約1.5nm~2nmの親水性の孔を形成するような配置で集合します。
つまり直径1.5nm~2nm以下の分子はギャップ結合を通って速やかに細胞間を行き来できるということになります。一方の細胞の細胞質から隣の細胞の細胞質に拡散して入っていきます。

一般的には、1200Daより小さい分子は自由に通過しますが、2000Daより大きい分子は通過しません。
その中間の大きさの分子の透過性は、物質によって変わり、制限されます。
当然細胞内のタンパク質のような生体高分子の移動は妨げられています。
イオン、多くの細胞内の巨大分子の低分子量前駆体、中間代謝物、小さな細胞内シグナル伝達物質がギャップジャンクションを通って細胞間を行き来することができます。
これによって隣接する細胞での代謝の共役と電気的共役(電気活動と代謝活動を一本化する)を可能にしているわけです。

人には20個以上の異なるコネキシン遺伝子が存在しており、それぞれのコネキシン分子はオクルディンの膜における配置のように膜を4回貫通しています。
ギャップジャンクションの透過性は、細胞内のpHやCA2+濃度と、コネキシンのリン酸化状態の変化によって調節され、接合強度は弱い。
ギャップジャンクションを介する輸送の別の際立った例に、代謝共役や代謝協働という現象があります。この例では、細胞が、栄養物質や代謝中間産物を合成できない隣接する細胞にそれらを移動させます。

電気シナプスelectrical synapse

1つの神経細胞が他の神経細胞と情報伝達する特殊化した部位はシナプスと呼ばれています。
このシナプスの伝達様式には科学シナプスと、電気シナプスの2種類あります。
大部分のシナプスでは化学物質が伝達に使われますが、一部のシナプスでは電気的にのみ伝達が行われます。(実際脳のシナプスは大部分が化学シナプスです)

電気シナプスでは、シナプス前細胞と後細胞は2つの細胞の細胞質を直接つなぐ特殊なチャネル、すなわちギャップジャンクションを通して伝達を行います。電気シナプスではシナプス遅延は著しく短く、約1000倍も伝達が早いです。

シナプスのタイプ

電気シナプス

化学シナプス

シナプス前膜と後膜の距離

4nm

20nm~40nm

シナプス前細胞-後細胞間

細胞質の連続性あり

細胞質の連続性なし

超微細構造の構成因子

ギャップ結合チャネル

シナプス小胞と活性帯
シナプス後膜受容体

伝達因子

イオン電流

化学伝達物質

シナプス遅延

ほとんどなし

短くとも0,3ms、通常は1~5msあるいはそれ以上

伝達方向

通常は両方向性

一方向性

電気的伝達は、一群の神経細胞の活動を組織化することにも役立っています。同期性を提供するのです。
さらに、電気シナプスはシグナル伝達物質が透過するので、細胞間の代謝シグナルを伝達することもできます。

グリア細胞においては、ギャップ結合は細胞間伝達だけでなく、細胞内情報伝達にも関わっています。
脳において、個々のアストロサイト(星状膠細胞)はお互いにギャップ結合で連結され、グリア細胞ネットワークを形成しています。

心臓でのギャップジャンクション

デスモソームで強固に連結された心筋細胞間で、迅速にイオンシグナルを伝播し、拍動中の心筋細胞が協調して収縮するよう、電気的に刺激しています。

哺乳類の出産における子宮筋の収縮機能におけるギャップジャンクション

分娩において、哺乳類の子宮筋細胞は同調して強く収縮しなければなりません。
この同調した活性を可能にするため、分娩の直前から分娩の間、主な子宮筋コネキシンであるCx43の量は通常の約5~10倍に増加してギャップジャンクションの数と大きさを増やしますが、分娩後には急速に減少します。

発生中の胚におけるギャップジャンクション

成長や細胞分化を調節する化学的・電気的な情報の伝達がギャップジャンクションを介して行われています。
卵母細胞と周囲の顆粒膜細胞の間や隣接する顆粒膜細胞同士間での代謝産物やシグナル伝達物質の移動を仲介して、卵巣での卵細胞の発達に重要な役割を果たしています。

消化管のギャップ結合

ある種の細胞外ホルモン刺激により、細胞内の代謝を調節する2次メッセンジャー(例、cAMP, IP3, Ca2+)と呼ばれる小さな細胞内シグナル伝達分子の産生や放出が誘導されます。2次メッセンジャーはギャップジャンクションを介して細胞間を伝播できるので、1つの細胞に対するホルモン刺激によって、その細胞と多くの隣接する細胞に協調した応答を引き起こすことができます。
このようなギャップジャンクションを介したシグナル伝達は、例えば、膵臓からの消化酵素の分泌や、腸の協調した筋収縮の波(蠕動)などにおいて、重要な役割を果たします。

コネキシン遺伝子の変異

コネキシン遺伝子の変異は、少なくとも8つのヒト遺伝病の原因となります。
神経感覚性難聴、白内障、心臓機能障害、進行性の末梢神経変性が特徴であるX染色体連鎖シャルコーーマリーートゥース病があります。

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