細胞間脂質
細胞間脂質は、セラミド50%、コレステロール30%、遊離脂肪酸、硫酸コレステロールなどで構成されています。
顆粒層の細胞質には層板顆粒(オドランド小体)が豊富に存在していますが、アポトーシス(細胞死)に陥る際、これが細胞外に分泌され、角質細胞の周囲を取り巻く角質細胞間脂質を形成します。
まず、細胞間脂質の大部分を構成する11種類のセラミドは、層板顆粒から放出されます。
さらに、遊離脂肪酸は顆粒細胞の細胞膜から分泌されます。
硫酸コレステロールはカルシウムイオンを介して角質細胞の層構造を接着、安定化させ、皮膚の保湿にも重要な役割を果たしています。
バリア機能は細胞間脂質の量と相関しています。
セラミドはバリア機能において大切な脂質で、コレステロールは膜の柔軟性を高めることに重要な役割を果たしています。
角質層層におけるセラミドの含有量は高く、肝臓、腎臓の50倍、脳の35倍とされています。
11種類のセラミド存在 またシグナルセラミドとして機能をもつ
・強くこすって洗浄すると24時間は回復しない
・角層細胞間脂質を構成するセラミド コレステロール 脂肪酸は水分透過バリアや化学的、機械的刺激から表皮を守る役目として働く重要な要素です。そのため、この3成分のどれかに質的量的異常があればバリア機能に異常を生じる。
・セラミドについて
・疎水性部分 親水性部分同士が繰り返される層板構造(ラメラ構造)をしており、角層細胞間を埋める。X線解析などでこのラメラには長周期(約13nm)と短周期(約6nm)のラメラが確認されている。長周期構造がバリア機能に重要なのはわかっています。
表皮の構造
表皮を構成する細胞の95%は角化細胞(ケラチノサイト)ですが、
残りはメラニン色素を産出する色素細胞(メラノサイト)、
抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞、
触覚に関係するといわれてるメルケル細胞などです。
角化細胞は基底層が細胞分裂することで生まれ、徐々に成長しながら押し上げられ、やがて垢となって落ちていきます(角化現象)。この角化細胞の成長の度合いや働きなどによって、表皮の構造は大きく4つの部分(角質層・顆粒層・有棘層・基底層)+基底膜に分けることができます。
通常、胎生160日を過ぎると角化現象がみとめられ、表皮の各4層の構造が見られるようになるとされています。
それでは表皮における各4層+基底膜について、詳しく見ていきましょう。
爪について
爪は角化性の上皮組織です。胎生3カ月ころに表皮から分化するとされています。1日約0.1mm伸長し、爪甲全体の再生には6~12ヶ月を要します。
従来、表皮の角層が特殊に分化したものが爪であると考えられていましたが、近年はケラチン分子の解析によって、爪は表皮と毛の両方の性状を併せ持つ組織であると考えられています。