真皮(コラーゲン線維・エラスチン線維)の解説と働き

皮膚を断面から観察すると、
表皮・真皮・皮下組織の3層構造をしています。

真皮dermis 皮膚の厚さの大部分を占める

真皮は皮膚の厚さの大部分を占める結合組織(不規則緻密結合組織・交織線維性緻密結合組織)です。

皮膚の中の真皮弾性と硬度の維持

皮膚の構造

真皮は、毛細血管や毛包(表皮が陥没して形成されています)、分泌腺(汗腺皮脂腺)、神経が集まり、表皮に栄養を与えたり、表皮から送り込まれる情報をキャッチする(増殖や分化を調節する因子の貯蔵場所)役割を果たしています。真皮は柔軟性と弾力に富み、機械的刺激に抵抗できるようになっていて(耐裂性・伸縮性)、神経や血管、腺、毛包を支持しやすい構造をしています。

真皮の厚さは、表皮の約15~40倍(平均1~2mm)ですが、最も厚いのは背中(3mm)で、一番薄いのはまぶた(0.6mm以下)や耳たぶのところです。手の甲や足の甲も真皮が薄く、血管が浮いて見えるのはそのためです。面積の広い背部では真皮が厚いため、体温保持にも貢献しています。

赤ちゃんでは皮膚の厚さが大人に比べて2分の1しかないのでとてもデリケート。高齢者の場合も特に表皮が薄くなり、血管壁がもろくなることもあって、ちょっとした刺激で内出血を起こしやすくなります。

ベルトや靴、野球のグラブ、バスケットボールなどに用いられる革は、動物の真皮を乾燥、処理したものです。(タンニン酸などで処理すると不溶性となるので皮をなめす時に利用されています)
なお、表皮とは基底膜によって隔てられています。

全体として皮膚の厚さは、真皮と皮下組織の厚さで決まります。

真皮の構造

角質層の4層(+透明層)+基底膜ほど明確ではないものの、真皮は解剖学的に3層構造(乳頭層…全体の1/5・乳頭下層・網状層)に分けられます。
通常は乳頭層と網状層の2層で区別されます。乳頭層・乳頭下層は通常、乳頭層と呼ばれ、その境界はむしろ不明瞭です。

毛包やエクリン感染・アポクリン汗腺、皮脂腺などの上皮性成分がくさび形に入り込んでいます。
豊富な血管や神経も密なネットワークを構築しています。
皮下層との境界近くにはわずかに脂肪細胞が存在しています。

乳頭層

真皮の構造

乳頭層は真皮の約1/5の厚さで、疎らな膠原線維と細い弾性線維から成る疎性結合組織です。表皮へ神経と、栄養を供給する血管を伴っています。線維芽細胞と他の結合組織性細胞(例えばマスト細胞やマクロファージなどを含む、血管外へ遊走した白血球)も見られます。乳頭層を失うと、てかてかの萎縮表皮になります。
この部分は、例えば電球のソケットの凹凸や、ジグソーパズルのようにお互いかみ合っています。

真皮乳頭(dermal papilla)
真皮の表面は波打ち、多くの突出部(真皮乳頭)を持ち、表皮の突起部(表皮突起 epidermal ridge)と互いにかみ合っています。乳頭の高さと数は、基底板に存在するヘミデスモソームや係留線維と同様に真皮表皮接合部を補強しています。
真皮乳頭は真皮と表皮の接触面積を大幅に増加させており、また、真皮乳頭はすべて毛細管ループ(血管)を持つため、網状に広がる毛細血管が上部の表皮への重要な栄養供給として大切です。分子が真皮乳頭の毛細血管から基底層の細胞より拡散すると、基底層の上皮幹細胞が分裂できるようになり、ケラチノサイトが作られ成長します。ケラチノサイトが表面に押しあげられて真皮の血管から離れると、必要な栄養分が受け取れなくなり、その結果アポトーシスに至るのです(アポトーシスに至る原因はそれだけではありませんが…)。

一部の真皮乳頭では、マイスナー小体と呼ばれる触覚受容器が存在し、このような乳頭を神経乳頭と言います。
さらにその他の自由神経終末も見られ、湿涼感、痛み、むずむず感、痒みなどを引き起こすシグナルが生じます。

網状層結合組織

網状層は乳頭層より厚く、真皮の大部分を占める層です、
乳頭層の疎らでフェルト状の膠原繊維(コラーゲンⅠ)は、網状層の太くて強い膠原線維の束に次第に移行し、網状層においては密な網目をつくっています。

膠原繊維

網状層の膠原繊維は網のようにからまっており、乳頭層の膠原繊維よりも規則的に配列しています。
太い膠原繊維がより規則的な配列をするので、皮膚の引っぱり強度が増すことになります。

これらの線維束はほぼ皮膚表面と平行に走り、弾性繊維網が伴行しています。
膠原繊維と弾性線維の組み合わせにより、皮膚に強度、伸びやすさ(伸展性)、及び弾力性が与えられます。

線維束の間には、疎らな繊維芽細胞、及び各種の遊走細胞(マクロファージなど)、肥満細胞、および散在的にリンパ球が見られます。そして線維間の空隙間を、血管、神経、毛包、脂腺、汗腺が占めているのです。

さらにその間隙にはゲル状の基質を含み、その中にプルテオグルカン(ヒアルロン酸 コンドロイチン硫酸 デルマタン硫酸)、タンパク、およびミネラルが存在します。プロテオグルカンは高度の水との結合能を有します。

網状層の深層部には、若干ではありますが、弾性線維と共に脂肪細胞が見られ、皮下組織との境界は曖昧なものになっています。

ヒアルロン酸をもっと詳しく

真皮の構成成分細胞+線維+基質 主な成分は、線維と基質を合わせた細胞外マトリックス(ECM)。細胞中心の他の組織とは違います。

細胞成分、細胞外マトリックス(線維成分と基質)からなっています。

基質の部分のみを細胞外マトリックスという場合もあります。
なかでも細胞外マトリックス(ECM:間質成分)の大部分を占める主成分コラーゲン線維(collagen fiber)が真皮乾燥重量の70%を占めています。
線維成分が大部分を占めているのです。
細胞成分は線維成分を産生し、基質部分を合成する線維芽細胞が中心的な役割を果たしています。
また、表皮との大きな違いはその細胞密度であり、ケラチノサイトが詰まるように存在し、強靭な結合様式を示す表皮と比べると、真皮は線維芽細胞が疎らに存在し、若干のマクロファージも含まれます。

細胞外マトリックス extracellular matrix:ECM
細胞外マトリックスとは生体内で細胞を取り巻いている物質の総称。 細胞から細胞間隙に分泌されたタンパク質と多糖類がお互いに絡み合った複雑な網目構造を作り組織の構造や機能に重要です。 結合組織では大半をマトリックスが占めますが、多くの器官では細胞が密集して存在し、マトリックスは相対的に少ない。 細胞間と細胞ー細胞外マトリックス間の相互作用は、細胞を組織へと集合させる上で重要である。細胞の形と機能を調節し、細胞と組織の発生運命を決定する上でも重要である。 細胞外マトリックス分子の主要な分類として、プロテオグルカン、コラーゲン、多価接着タンパク質(フィブロネクチンとラミニン)があります。

細胞成分細胞成分は少ないのだけれど…起源や機能の異なる種々の細胞が存在しています。

細胞成分

その他の細胞成分には、
組織球(マクロファージの一種)、
肥満細胞 (マスト細胞、直径10μmの類円形ないし紡錘形で血管の拡張や透過性亢進を起こす種種の化学伝達物質を産生保持しており、そのため細胞内に豊富な顆粒を有している)、
形質細胞(抗原刺激を受けたB細胞が分化したもので抗体を産生し液性免疫に関与する)、
真皮樹状細胞(真皮上層に存在する細胞で、ランゲルハンス細胞の近縁細胞と考えられている。皮膚免疫の補助的役割を担っている)があります。

線維芽細胞

コラーゲン線維、エラスチン繊維、基質などの間質成分以外の真皮の構成要素に、細胞成分があります。
代表的なものが線維芽細胞(fibroblast)。線維芽細胞は間葉系細胞で膠原線維や弾性繊維、ムコ多糖類を産生する細胞で、つまり真皮の主な成分のほとんどを産生しています。中心的役割を果たしているのです。膠原線維の中で細長い紡錘形の細胞として散見され、細い突起を三次元的に広範囲に広げています。膠原線維を産生し、真皮が成熟すると、線維芽細胞はその活動を休止し線維細胞となります。

線維芽細胞をもっと詳しく

肥満細胞mast cell

肥満細胞

直径10μミリの類円形ないし紡錘形 組織を養う血管に沿って豊富に存在します。 血管の拡張や透過性亢進を起こす種種の化学伝達物質を産生保持しており、そのため細胞内に豊富なかりゅうを有している 顆粒はヘパリン、ヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエン、プロスタグランディンDなどを含む。ヘパリンは血液凝固作用を持ち、ヒスタミンは 怪我や感染に対する身体の反応である炎症の過程で、毛細血管を広げる化学物質である。セロトニンは血管平滑筋の収縮を高める働きがある。肥満細胞は炎症の際に重要な役割を演じ、とくにアレルギーと関係がある。肥満細胞は細胞表面に免疫グロブリンIgEに対する受容体(recepter)をもち、IgE抗体と結合する。アレルギーを起こす抗原(アレルゲン)が気道や腸管などから体内に入ると、肥満細胞の表面にあるIgE抗体と反応し、その結果開口分泌によって顆粒に含まれる生物学的活性物質の放出がおこる。 さらに最近、研究者たちは、肥満細胞が細菌に結合し、これを取り込んで殺すことを発見しています

組織球histiocyte

組織球

マクロファージ(大食細胞)の一種 固定マクロファージ 常在マクロファージ、定着マクロファージともいいます。マクロファージは血液の単球に由来する。つまり単球が静静脈や毛細血管の壁を通って血液から結合組織に出てマクロファージになります。マクロファージは体内に広く分布し、とくに疎性結合組織に繊維芽細胞とともに存在する。マクロファージは活性状態によって大きさ・形態が異なり、小型の場合は不整球形をしており、核も繊維芽細胞に比べて小さく光学顕微鏡では繊維芽細胞と区別できないことが多い。組織球は刺激をうけると、遊走し、大きくなり、胞体の染色性もmし、核も大きく不整球形ないし卵円形で、明調になる。このような活性化したマクロファージや遊走性マクロファージは、電子顕微鏡で観察しますと、多数のライスゾームや食小体を含み、活発な食作用を示し、生体染色色素や細菌など外来性物質(異物)を取り込む。また、退化変性した細胞やその崩壊によって生じる細胞破片なども取り込み処理します。 このようにマクロファージは遊走性と活発な食作用によって生体にとって異物あるいは異物化した構造・物質を処理し、いわば清掃する細胞で、生体防衛において極めて重要な役割を演じる。マクロファージは抗原を取り込み処理し、免疫を担うリンパ球に抗原情報を与えます。(抗原提示)すなわちマクロファージは免疫反応において、リンパ球とともに重要な役目を果たす細胞です。

形質細胞

全身の各所にみられますが、ほとんどの形質細胞は結合組織に存在しています。とくに胃腸管と気道の粘膜に多い。
形質細胞は小さく、抗原によって刺激されたリンパ球から分化し、血液中には存在しません。形質細胞はとくに核の性状がリンパ球に似ていますが、豊富な細胞形質をもつので、形質細胞という名が与えられました。
形質の寿命は約2~4週間で、リンパ球は遊走移動・循環しますが、形質細胞は局所に留まり移動しません。
形質細胞は極めて発達のよい粗面小胞体をもち、活発なタンパク質合成を営みます。細胞が産生放出するタンパク質は免疫とくに体液性免疫にあずかる抗体、すなわち免疫グロブリン(Ig)です。このように形質細胞は免疫系で重要な役割を担う抗体産生体細胞です。

真皮樹状細胞

真皮上層に存在する細胞で、ランゲルハンス細胞の近縁細胞と考えられています。皮膚免疫の補助的役割を担っています。

iPS細胞はヒトの皮膚線維芽細胞から作成

皮膚線条(伸展裂創)
妊娠中の腹部、筋力の急激な増大、急激な肥満時に見られる、銀白色の線条として現われます。
何か病気なのかと不気味に思った人も多いと思います。
これは、真皮に含まれる膠原線維と血管構造が、皮膚が過度に進展すると、真皮の内部に損傷が生じて内部が瘢痕化して生じるもので、皮膚が過度に進展すると、隣接している膠原繊維間の側面接合が破たんし、細い真皮血管が破れるために起こります。最初は赤みがかった線条としてこれらの部位に現れ、その後、真皮破壊の生じた部位に血管の乏しい瘢痕組織が形成されて、銀白色になるのです。

乳幼児の蒙古斑
真皮のメラニンを含む細胞は特に乳幼児の仙骨部の皮膚に多くみられる。このため乳幼児の仙骨部皮膚は肉眼で青く見える蒙古斑(小児斑)となる。

刺青
刺青は、針を用いて色素を真皮に沈着させ、皮膚を永久に着色することです。この習慣は、紀元前4000~2000年の古代エジプトで始まったと考えられています。
真皮は約4週間で脱落する表皮とは異なり、安定なため、刺青は永久的です。

線維成分コラーゲン(膠原)線維・エラスチン(弾性)線維

コラーゲン線維collagen fiber:膠原線維 強度を保つ!コラーゲンは動物界で最も多量にあるタンパク質です。

真皮

語源がギリシャ語の「コラ=にかわ(膠・ゼラチン)」であるため、膠原線維とも呼ばれます。
コラーゲンは人体の結合組織を形作っている主なタンパク質で、肉眼的には白く見えます。また、身体を構成している全タンパク質の30%にあたります。また、真皮乾燥重量の70%にあたります。なお、煮るとゼラチンを生じます。

このコラーゲン線維は極めて強靭で、特に線維の走行に沿って働く張力に対して抵抗が強く、伸縮性に乏しい。したがって、線維が大量になるほど組織は強くなります。皮膚の力学的な強度を保つ支持組織として大変重要です。

真皮の上層では、細いコラーゲン線維(直径100~500nm)がまだらに走行していますが、下層ではよく発達したコラーゲン線維が密に認められます。この太い膠原線維を膠原線維束(collagen bandle)と呼び、2~15μmもの太さになります。

線維芽細胞で作られるコラーゲンの分子間に架橋ができ、一定のずれをもって重合することで縞模様のあるコラーゲン線維が形成されます(図解)。

コラーゲン分子にはα鎖の分子構造の違いにより現在20種類のサブタイプが存在が確認され、遺伝子は約30存在していますが、真皮を構成する80%のコラーゲン線維はⅠ型コラーゲンです。また血管周囲の細いコラーゲン線維の15%を占めるのはⅢ型コラーゲンです。

コラーゲンとはタンパク質の一種で線維状の構造をつくる性質があります。
コラーゲンは、身体の中で最も多いタンパク質で、総タンパクの1/2~1/3を占め、体重の4~6%になります。人体では皮膚の他、筋肉や骨、内蔵などのいたるところに存在します。
膠原線維のことをコラーゲン線維とも言います。コラーゲンは線維であって生きた細胞ではないので、死ぬということはありません。従って、表皮細胞のようにターンオーバーして生まれ変わることはありません。繊維芽細胞から新しく作り出され、古くなったものは酵素などで分解されます。
このようにゆっくり新陳代謝してはいますが、真皮のコラーゲンが一通り代謝するのに約2~6年かかるといわれます。2年と6年ではかなり違いますが、時間がかかりすぎるので、正確にははかれないのです。
しかし、これも40代以降になると、ほとんど新しくつくられることは無くなります。そのため、コラーゲンはどんどん古くなり、量も減っていくのです。これがしわとたるみの原因です。

コラーゲンをもっと詳しく

エラスチン線維elastic fiber:弾性線維 その名の通り、皮膚に弾力性を作り出す!迂曲して走り、しばしば分枝し、吻合して全体として網を作る。

コラーゲン線維が大部分を占める間質成分ですが、その他に「エラスチン線維」が存在します。
直径は0.2~3μm(平均的なコラーゲン線維より細い)、主成分はエラスチンで、それを取り囲む糖タンパクのフィブリリンから構成されています。
フィブリリンは弾性線維を強固にし安定化する役割を果たしています。(欠損すると断片化)

このようなユニークな分子構造の為に、弾性線維は強度を持つ一方、弛緩した状態の1.5倍の長さまでちぎれることなく引き延ばすことができるのです。
エラスチンは硬タンパク質の一種で、水にとけず、ゴムのような弾力性を持ち、コラーゲン線維に程強靭ではないものの、軟骨・腱(よく知られているのがアキレス腱)・靭帯・大動脈・皮膚などの伸縮性に富んだ組織、すなわち結合組織に多く含まれてます。真皮の結合組織にあるタンパク質の重量に占める割合は約2%とわずかですが、皮膚の弾性に重要な役割を果たしています。

真皮線維芽細胞で産生、線維芽細胞内でトロポエラスチンが産生され、細胞外に分泌され、不溶性のエラスチンが形成されます。
エラスチン分子は疎水領域と架橋領域の繰り返し構造を持ちます。架橋領域のリシン残基がリシン酸化酵素(コラーゲンと同様)により架橋を形成(共有結合)し、ぜんまい様の構造をとります。

毛細血管以外の全ての動脈や肺胞壁に豊富に存在します。
つまり伸び縮みする臓器で、組織に置いて重要な弾性機能を維持しています。
エラスチンはほとんどのプロテアーゼに対して消化されにくいですが、膵臓のエラスターゼによって容易に加水分解されます。

真皮において、エラスチン繊維は深部に至るほど太くなり、網状層では膠原線維束の間にはぼ均等に散在して、皮表に対して平行に走っているが乳頭層へ近ずくほど線維は細くなり走行は皮表に対して垂直になっていきます。乳頭層ではアーケード状の走行を形成しており、そこからさらに細い線維が生じて垂直に上昇し、基底膜に接着しています。その他、腺や汗管、平滑筋、神経、血管の基底板にも接合しています。

大動脈の弾性線維
大動脈のように、特に高度の弾性を要するような部位には、弾性繊維は大量に存在し、弾性組織をつくります。弾性板と呼ばれる有窓膜として存在します。
このような場合には、弾性線維も太く、太さは4~5μmにも達します。

マルファン症候群
フィブリン遺伝子の欠損による遺伝子疾患。その結果弾性線維の形成が異常となり、弾性線維を豊富に含む組織が形成不全となり脆弱になる。もっとも深刻な影響を受けるのは骨膜、眼球の中で水晶体を支持する靭帯、そして太い動脈の壁です。大動脈が脆弱になり、大動脈が瘤上となって突然破裂することがあります。眼球の水晶体の位置がずれることによる視覚異常もあります。

基質 線維成分間を埋める。母は線維芽細胞。無定形質で親水性で粘性に富む。

コラーゲン線維、エラスチン繊維と共に間質成分として挙げられるのが、基質です。
多細胞生物であるためには組織中の細胞と細胞の間、あるいは細胞集団と細胞集団の間の隙間を満たす物質が必要です。この物質を細胞外マトリックスと呼びます。細胞外マトリックスは細胞の存在するところには必ず見られます。従って全身のあらゆる臓器に存在し、臓器の支持、境界を作る役割意外に細胞の生存環境を形成しています。それゆえに細胞が移動したり、細胞の接着、細胞の分化、増殖にもこの物質が関係しています。

基質は細胞と組織の間を埋める要素で、液状、半液状、ゲル状、あるは石灰化しています。
細胞を支えたり、結びつけたり、水分を蓄えたり、それを介して血液と細胞の間で物質が交換される溶媒となるなど、大切役割を果たしています。
また、どのように組織が発達、移動、増殖し、形を変化させるか、あるいはどのように代謝機能を遂行するかという過程で、能動的な役割を果たしています。

基質は水と種々の有機高分子を含み、その多くは多糖類とタンパク質の複雑な複合体(糖蛋白)です。
多糖類にはヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸などがあります。
これらを総称してグリコサミノグリカンといいます。

プロテオグリカンは長い鎖状のコアになる蛋白と、グリコサミノグリカン(ムコ多糖類)が結合した巨大な分子で、グリコサミノグリカンがブラシとなって大量の保水を可能にしています。皮膚の水分の大部分はここに含まれています。(図解)
グルコサミノグリカンの最も重要な働きの1つは、水を保持することによって基質をゼリー状にすることです。

基質は真皮の線維や細胞の間を埋める物質で、主な成分としては、糖たんぱく、プロテオグリカンで、ゲル状をしています。
これらの成分以外には、血液やリンパ液由来の組織液が含まれています。これらの多くが線維芽細胞から産生されています。

糖蛋白glycoprotein

糖蛋白

無定形質にはプロテオグルカンとは異なる糖蛋白が含まれる。この糖蛋白は、従来、中性ムコ多糖と呼ばれ、固有の糖蛋白である。プロテオグルカンは糖質が60〜90%を占めるのに対して、この糖蛋白は糖質が2〜15%です。タンパク質の部分が主体となっています。糖蛋白の糖鎖はしばしば枝分かれした構造です。 この糖蛋白として、フィブロネクチン fibronectin が知られています。フィブロネクチンは膠原線維や線維芽細胞などいろいろな細胞の表面にあって、コラーゲン、グルコサミノグルカン、細胞膜上のインテグリンとの結合部位を有します。すなわち多接着性です。これらの接着部位との相互関係によって、細胞の移動・分化・増殖を制御し、組織発生や創傷治癒にも関与しています。 もう一つはラミニン laminin でフィブロネクチンやおいもっと大きい三量体の十字形をした糖蛋白で基底板への接着に関与しています。すべての基底板にはラミニンが豊富に存在しています。

プロテオグリカンproteoglycan

プロテオグリカン

ムコ糖ータンパク質複合体の巨大分子。 すべての動物組織の細胞外マトリックスに多量に存在しています。 プロテオグルカンは、長い鎖状のコア蛋白にグルサミノグルカン glycosaminoglycan という糖鎖がブラシ状に多数結合してできている。 プロテオグリカンは粗面小胞体で作られ、ゴルジ装置で成熟し、エキソサイトーシスによって細胞から分泌される。 多くの陰性荷電を持つため陽イオンを引きつけ、浸透圧があり、そのために多量の水を吸着して大きな容積を占めるのが特徴です。そのため組織の水やイオンの代謝・調整に役立ち、無定形室に液の流動がなくても可溶性物質の拡散を可能にする。 細胞外マトリックスの構成要素の役割をしたり、細胞を基質に係留させたりすることに加えて、細胞外や細胞の表面にあるプロテオグルカンはある種のシグナルタンパク質(例えば、線維芽細胞形質転換増殖因子FGF)と結合し、それを蓄えます。プロテオグリカンが分解されると、これらの蓄えられていた増殖因子が放出され、さらに細胞の増殖や細胞外マトリックスの産生が活性化される。

グルコサミノグルカン glycosaminoglycan GAG

従来、酸性ムコ多糖と呼ばれた。直鎖型の多糖でウロン酸(グルクロン酸またはイズロン酸)とヘキソサミン(グルコサミンまたはガクトサミン)の二糖の反復によって構成された長い直鎖状重合体です。共有結合で結合しています。繰り返した二糖単位の性質に基づいて、一番大きく、最もユニークで普遍的に存在のヒアルロン酸・硫酸化グルサコサミノグルカン(コンドロイチン硫酸・ヘパラン硫酸・ケラタン硫酸・デルマタン硫酸)やヘパリンがあります。

組織液

血漿に由来する液状成分で、毛細血管壁を透過して基質に漏出し、再び毛細血管・毛細リンパ管から回収されます。こうして基質において組織液は流動します。その量は一般に少量ですが、毛細血管の透過性が高く基質への漏出が過度になったり、基質から血管・リンパ管への回収が阻害されると、浮腫を生じます。
組織液は栄養物質や代謝産物を含み、組織・細胞との間に行われる物質の交換の媒質として、代謝の上で重要な役割を果たします。
これらの成分のほかには血液やリンパ液由来の組織液が基質に含まれ、細胞の活動に必要な物質の運搬および代謝にかかわっています。

コンドロイチン硫酸とグルコサミン

この組み合わせまたは単独でのサプリメントをよく耳にします。
関節軟骨の構造と機能を促進・維持し、関節炎の痛みや腫れを軽減するといわれています。これらのサプリメントは中程度から高度の関節炎を持つ一定数の患者では有効でしたが、軽度の症例では軽微です。このようなサプリメントがどのように機能するのか、なぜ効く人とそうでない人がいるのかはさらに研究が待たれます。
コンドロイチン硫酸 chondroitin sulfateー硫酸と結合したグリコサミノグリカン(コンドロイチン)はゲル状の物質で、無定形質に硬さを与える。 ヘパリン heparin ー血液凝固を阻止する働きを持つ

真皮の発生

真皮は外胚葉の下の領域にある中胚葉 mesoderm に由来する。中胚葉から、間葉 mesenchyme と呼ばれる、ゆるく組織された胚性結合組織が生じる。 11週までに、間葉細胞が線維芽細胞に分化し、膠原線維と弾性線維の形成が始まる。 表皮の層に沿って皮膚小稜が形成されると、真皮表面の一部が表皮に突出し、真皮乳頭 dermal papillae が発生する。これには毛細血管ループ、触覚小体、自由神経終末が含まれます。

未分化間充織細胞から局所的に発生。(結合組織には起源や機能の異なる種々の細胞が存在する)その組織内に一生止まります。 マスト細胞、マクロファージ、形質細胞のような他の細胞は骨髄の造血幹細胞に由来し、血液中を循環して結合組織内へ移動し、そこにとどまって機能する。

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