紫外線の強い季節になりました。今回は紫外線と日焼け止めについてお話します。
日焼け止めとして使われている成分には紫外線吸収剤①と紫外線散乱剤②の2種類があります。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する性質を持つ化学物質で、人によってはかぶれをおこします。
もう一つの紫外線散乱剤の成分は、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属で、皮膚の表面にのっている粒子が紫外線を跳ね返すことにより、日焼けを防ぎます。塗ったところが白っぽくなりますが、散乱剤でかぶれを起こすことは少ないので、肌の弱い人や小さい子供にはこちらの方が安心です。
また、最近は金属の表面をシリコンでコーティングして、直接皮膚に触れないよう工夫されたものも出てきています。
紫外線吸収剤の入っていないものには、「吸収剤不使用」「ノンケミカル」などと書かれているので、買う前に確かめましょう。
紫外線には波長の違うＡ波とＢ波があります。
A波（UVA）は、力は弱いのですがジワジワと皮膚の深い部分の真皮にまで達して、しわの元になります。
Ｂ波（UVB）は、皮膚を赤くしたり水ぶくれを起こし、数日後には皮膚を黒くする作用があります。ひどい場合は皮膚がんの原因になることもあります。
これら二つの紫外線、UVAとUVBをブロックする作用は、それぞれ違った単位で表わされます。
A波をブロックする作用はPAで表わされ、＋の数が多いほど作用が強くなります。
＋ （効果がある）
＋＋ （とても効果がある）
＋＋＋ （非常に効果がある）
Ｂ波をカットする能力はSPF（サン・プロテクション・ファクター、日やけ止め指数）といい、数字は強さではなく時間を表わしています。例えばSPF２の日焼け止めを塗ると、日焼けで肌が赤くなるまでの時間を2倍に延ばせるというものです。日本人では、夏の日差しで肌が赤くなるまでの時間は20分といわれています。SPF2の日焼け止めならその時間が20×２＝40分に、SPF10なら200分に伸ばせるということです。理論的にはＳＰＦ50であれば1000分、つまり16時間40分ということになりますが、ＳＰＦ30以上は強さに違いがないとも言われています。
では、何を基準に日焼け止めを選べばいいのでしょうか。
数字の大きい強い日焼け止めは、それだけ肌への負担が大きくなるので、むやみに塗ることはお勧めできません。生活シーンに合わせて、次のような選び方が推奨されているので参考になさってください。
日常生活（散歩、買い物など）＝SPF10～20
屋外でのレジャーや軽いスポーツ＝SPF20～30
炎天下でのスポーツや海水浴などのマリンスポーツ＝SPF30以上、
非常に紫外線の強いところや、紫外線に非常に弱い人＝SPF50以上。
日焼け止めの上からファンデーションを塗れば、さらに紫外線遮断効果はアップ。
帽子、日傘、長袖、サングラス、日陰も上手に利用しましょう。
日焼けはかるいやけどと同じです。できるだけ早いうちに冷やして、皮膚組織が壊れるのを防ぎます。
冷水で絞ったタオルやそれに氷をはさんだものを、赤くなった部分に乗せておきます。お顔なら、冷やした化粧水をフェイスマスクにしみこませるコールドパックがお勧めです。
日焼け後のお肌は乾燥しますので、刺激の少ない化粧水で水分を十分に補い、乾燥しないようにオイルでケアすると良いでしょう。化学物質無添加であるドクターズオーガニックの化粧水と美容オイルは特にお勧めです。
でも、痛みを感じたりや水ぶくれになるようなひどい日焼けをしてしまったら、皮膚科のお医者さんにお任せしましょう。
日焼け止めを塗ったからと安心しないで、過度に直射日光に当たらないように気をつけてくださいね。
