私たちの身体は約７０％は水でできています（年齢差があります）。
これらの水は身体のどこかにじっとたまっているのではありません。動いています。絶え間なく流れているのです。
水は身体の中をめぐり、太い動脈を走る強い流れは枝別れして分流し、やがて微小な毛細血管網となって、棚田のようにならぶ一つ一つの細胞をやわらかく灌漑します。
細胞はこの流れから酸素と栄養素を受け取ります。と、同時に流れは細胞から二酸化炭素や老廃物を回収してくれます。
全身の細胞から集まったこの流れは腎臓に向かってすすみます。
腎臓で水は浄化されるのですが、この浄化システムは実に精妙巧緻にできていて、驚くべき仕組みになっています。
浄化システムは糸球体でいったん水をひとまず丸ごと捨ててしまいます。
そのあとイオンや栄養素などの必要な成分ときれいな水だけを腎尿細管で再吸収して、残りのいらない部分だけを排泄します。
活性炭やフィルター交換したりすることもなくメンテナンスフリーで何十年もの間働き続けるのです。
体重４０ｋｇの人の身体に含まれる水分は３０Ｌほどですが、腎臓は１日になんと１７００Ｌもの水を処理しているのです。
つまり、身体の中の水は５６．６６回も繰り返し繰り返し腎臓を通過するわけです。
それだけ全身の細胞が絶え間なく新陳代謝を行っているということで、健康でいるためには、この絶え間ない流れを維持すること
つまり良質の水を充分に摂取することが大切になります。
しかしまた過剰に水をとりすぎるといらないものとして排泄される水分がおおくなり、
必要なミネラル分も排泄され電解質バランスがくるって体調が悪くなります。何事もバランスが大事です。
（参考 福岡伸一先生 水をめぐるストーリーより）
