メルケル細胞Merkel cell(上皮性触覚細胞:epithelial tactile cell)
メルケル細胞とは触覚を司る受容器細胞
メルケル細胞は無毛皮膚の皮膚小陵間の中間に密に存在します。
表皮の最下層、基底層に存在する触覚受容細胞で、感覚を感知するトノフェラメントを有しており、デスモソームで周囲の角化細胞と接着しています。直径は約10μm。
皮膚小陵間の中央部にある汗腺を取り囲むようにして密な細胞体を形成しています。皮膚における上からの圧力や側面からの引っ張りによる皮膚表面の変形を感知する点でメルケル細胞のこういった局在は理想的です。
細胞質に、神経内分泌タイプの膜に囲まれた、特徴的な有芯顆粒(小胞)が多数存在し、感覚ニューロンの扁平になった突起と接触することで、そこに知覚神経終末(無髄神経)がシナプス接合されています。感覚ニューロンによって受容した刺激を装飾するこの構造をメルケル触覚盤と呼びます。
物理的刺激を受けると、この有芯顆粒から神経伝達物質が分泌され、知覚神経へ情報が伝わるようになっているのです。
この顆粒は、その形状と内容物において、神経内分泌性細胞の顆粒と類似しています。