防腐剤無添加のトリック
「防腐剤」として薬事法のポジティブリストに上がっているもの以外にも防腐作用のあるものがたくさんあり、無添加を謳う化粧品ではそれを利用するケースが多いようです。
たとえばエタノール。これはお酒の成分と同じですが、消毒に使うことからもわかるように、殺菌作用があり、防腐剤の代わりに加えられることがあります。ただし、10%程度加えなければ効果が出にくいので、かなり高濃度で配合してあり、皮膚の弱い方には刺激になります。ビールのアルコール濃度が約5%ですから、アルコール臭もかなり強くなります。
他に、保湿剤としての作用を持つBG(1,3-ブチレングリコール)が、防腐剤として利用されることもあります。さらっとしていて保湿性もよいため、保湿剤として乳液やクリーム、美容液などにも多く使われていますが、防腐作用を持たせるためにはやはり高濃度での配合が必要で、かぶれたりする方もいらっしゃいます。
「防腐剤」無添加という言葉に飛びつくことなく、成分を見極めることが大切です。
化粧品全成分表示制度になってから…
表示制度が変わり、すべての成分を表示すれば、企業の責任において化粧品に何を配合してもよいことになりました(薬事法で禁止されている成分を除く)。
そのため、薬事法が及ばない、新しく開発された成分や、○○エキスが、実は作用の強い成分を含んでいることもあるので、注意が必要です。
また、その化粧品が医薬部外品として申請がされていれば、全成分の表示をする義務がありません。
医薬部外品であれば「炎症を抑える」などの効果効能を広告することができるので、派手な宣伝広告が行われるケースがありますが、成分の詳細までは消費者にはわからないのが現実です。
名前に惑わされることなく、自分が使う化粧品の中身は、是非とも把握しておきたいものです。