合成ポリマーはこんな化粧品に使われています
近年、化粧品には合成ポリマーが多用されています。合成ポリマーは酸化の恐れがなく、指定成分にもなっておらず、乳化剤を使わなくても使い心地の良い乳液やクリームを安価に作ることができるとても便利な成分だからです。最近よく耳にするシリコンもその一つです。
- さらっとした使い心地の乳液やクリーム
水に合成ポリマーを溶かすとトロリとした液体になります。油や乳化剤を使わなくても乳液やクリームが作れます。
さらっとしていてとても使い心地が良く、つるりとした感触が続きます。
そんなに良いものならとお思いかもしれません。しかし、乳液やクリームの本来の目的は足りない皮脂を補うこと。水をつけただけではその目的は果たせません。
また、このさらっとした付け心地が好まれて、UVカットの製品によく使われていますが、皮膚を密封してしまうため、皮膚環境にはよくありません。
つけているときは肌がきれいになったと錯覚しますが、健康な肌をはぐくむことができなくなっています。- 伸びの良いファンデーション
ファンデーションに合成ポリマーを配合すると、伸びがよくて落ちにくくなり、見た目もつやつやになります。
しかし、落ちにくいものは強いクレンジングを使わなければ取り去ることができません。
艶やかに見える肌の下で、あなたの本当の皮膚が傷めつけられているのです。- 落ちにくい口紅
- 皮膚にしっかりとついて落ちにくい性質は、口紅としてありがたいもの。
でも、皮膚の薄い唇に合成ポリマーを塗りつけるのはいかがなものでしょうか？
落ちにくい口紅は、落とすときにどうしてもこするので、色素沈着の原因にもなりかねません。
また、口から体内に入ってしまう危険性もあります。 
サラサラの髪に見せかけるためのヘアケア製品- ほとんどのヘアケア製品にジメチコンなどのシリコン類（合成ポリマーの一種）が使われています。
髪にしっかりと結合することで、一時的にサラサラの髪質を作ることができるからです。
ノンシリコンシャンプーが話題になっていますがシャンプーをノンシリコンにしてもコンディショナーにシリコンが配合されていれば、同じことです。
使い続けると髪が傷んでくることは実証済み。シャンプーをするときに顔や体の皮膚にも付着してしまうことをお忘れなく。
合成ポリマーはなぜ皮膚によくない？
合成ポリマーは使われ始めてからまだ日が浅く、皮膚への影響の詳細は分かっていないものが多くあります。
皮膜を作る力が非常に強く、特に撥水性や撥油性の強いといった特徴を持つ合成ポリマーは、皮膚をしっかりと密閉するため、皮膚環境を破壊する恐れがあります。人間の皮膚には常在菌と呼ばれる細菌がたくさん棲んでいます。その数は1センチ四方におよそ20万。これらの微生物は、紫外線や有害物質からの刺激を防ぎ、人体に悪影響を及ぼす病原菌が身体の中に入らないよう働いています。
この常在菌が、合成ポリマーによって正常に増えることができなくなるのです。
また、合成ポリマーは微生物によって分解されないので、落しきれなかった化学物質が皮膚にどう影響するのかも心配です。
皮膚上に落ちにくい強い皮膜を作るものは、皮膚の常在菌をふえにくくするだけでなく落とすのに強いクレンジングが必要なので、現代人の乾燥肌を助長する原因になっています。
