コールドプロセス製法
ドクターズオーガニックの原料オイルは、低温でじっくりと搾り取られたものです。
オイルに含まれるビタミンA、D、Eやポリフェノールなどを最大限に生かすため、私たちはオイルを無添加石鹸にするときにも、手間と時間はかかりますが、熱をかけずにゆっくりと時間をかけて鹸化をすすめるコールドプロセス製法を取りいれています。
油脂の中に含まれている微量のビタミン、各種スクロール、リン脂質、糖脂質、スクワランなどそれ自体は石鹸にならず、出来上がった石鹸の中にそのままとけ込んでいる成分を不鹸化物と言います。
肌にとって有用な成分が多くありますが、精製されたオイルの場合かなりの部分が取り除かれています。
ドクターズオーガニックのオーガニック無添加洗顔石鹸が、オーガニックかつ低温圧搾法で取り出されたオイルをコールドプロセス製法で製造しているのは、この微量な不鹸化物を大事にしたかったからです。
無添加石鹸の製法には大きく分けて3つの方法があります。オイルを水酸化ナトリウムなどのアルカリで無添加石鹸にする反応を鹸化と言いますが、作り方によってその速度が変わります。
大量生産に向く「中和法」
油脂の中のグリセリンと脂肪酸を、薬品や熱等を使用して分解させ、そこで生成される脂肪酸のみを利用して、水酸化ナトリウム等で鹸化を行い、純石鹸分を作ります。この方法だとおよそ数時間で石鹸が出来上がります。
皮脂と同じ保湿成分であるグリセリンは捨ててしまい、成分の100%が石鹸分になりますので、汚れ落ちがきつすぎて、刺激を感じる物になってしまいます。
早く作れる「釜炊き法」
鹸化反応は温度が高いと早く進みますので、石鹸を製造する時間を短縮するためには、温度を上げればいいわけです。
釜炊き法では、油を高温に熱しますので、石鹸の反応は数日で終わってしまいます。しかし、温度がかなり高くなるので、オイルの劣化が進みます。
手間ひまのかかる「コールドプロセス製法」
そこでオイルに含まれるビタミンA、D、Eやポリフェノールなどの成分を損なわず、石鹸の良さを最大限生かすために、あえて時間のかかるコールドプロセス製法で作っています。この製法では、低温でじっくりと時間をかけて反応をすすめますので、石鹸が出来上がるのに大変手間と時間がかかります。
コールドプロセス製法
量り取ったオイルを湯煎にかけて溶かし、水を加えた水酸化ナトリウムは、発熱して高温になっているので冷却して、それぞれが38~40℃になるように、温度を合わせます。
天然水に水酸化ナトリウ溶液を少しずつ加えて撹拌します。
オイルと水酸化ナトリウムが反応して、鹸化(石鹸になること)が進み、さらさらとしていたオイルがぽったりと重く、トレースと呼ばれる跡がつくまで混ぜ続けます。ここまでになるのに、条件によって約1時間から、長ければ丸1日かかります。
トレースが出たら、型に入れてから、さらに丸一日保温し、反応を進めます。
数日後、無添加石鹸を型から外してしっかり固まるのを待ちます。
棒状に固まった無添加石鹸は、一つ一つピアノ線で切り分けて、8週間かけて乾燥・熟成させます。無添加石鹸にはこの熟成期間がとても大切で、じっくり寝かせている間に無添加石鹸の鹸化はさらに進み、マイルドな洗い上がりの無添加石鹸が生まれます。
オイルが分解して生成されるグリセリンもしっかり残りますので、洗浄作用と保湿作用を併せ持つ無添加石鹸が出来上がります。
固めるだけの便利な製品「石けん素地」
また、できあがっている石けん素地(せっけんの素)を、固めて作る方法もあります。
石けん素地の表示には成分の由来は全く書かれていません。石鹸に使用するオイルもピンからキリまでですが、何を使用しているのかを表示する義務はないのです。さらに金属封鎖剤(キレート剤)などがはじめから配合されていることが多いです。
石けん素地は安定した品質のものを安価に入手できますが、その原料や作り方の指定をすることが難しいため、オーガニックや無添加の石鹸を作ることができません。
低温圧搾法のオイル
また、未精製のエクストラバージンオイルだからこそ、そこに残っているビタミンやミネラル、スクアレンなどを天然の美容成分として生かしたいと考えました。そのために熱がかからないように、低温で搾り取られ、成分が壊れたり、酸化して品質が落ちたりしないように工夫されている油を採用しています。